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【ネタバレ感想】★☆☆☆☆ 世界から猫が消えたなら/川村元気

内容

何かの犠牲の上で生きている。
郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。

感想(ネタバレあり!)

主人公が30歳というには、世界に対する認知だったり周囲に対する対応だったり親に対する態度だったりがあまりに幼くその設定が残念でなりません。一人暮らしを始めた大学生くらいであればもう少し感情移入できたかも。とにかく小さな成長しか見せず繰り返しているようにしか見えない主人公の思考が面倒でしかたがありません。
あと悪魔のキャラクターが陽気なのはたぶんカラフル/森絵都さんの影響じゃないのかなと思います。やたらとテンションが高い。
ただ、読み終わって拍子抜けした後に、この小説はもしかして怖い話なんじゃないかなと思い直して再読。
最初に主人公が世界から消したのは電話です。しかし、電話がない世界で元カノと過去に電話したことを話します。執拗に。
元カノは電話がない世界をどう捉えているのか全く主人公に意識させないまま、思い出を振り返ります。違和感が残ります。
次に主人公が世界から消したのは映画です。映画を消す前日、映画が大好きな親友のもとを訪ねる主人公。親友にとって映画はやはりなくてはならない存在だと確認しながら容赦なく消します。その後、消えた世界で親友を訪ねることはなければ、親友がどうなったのか気にも留めません。そもそも親友という存在がいなかったかのように。最後に消したのは時計。主人公の父親は時計屋を営んでいるはずですが、父親に連絡することもなく、ましてや店を見に行こうともしません。喋り始めた猫に夢中です。
そして最後に猫を消そうとしたとき、母との思い出が大事すぎて飼い猫を消すことができなくて、死を選びます。父親に飼い猫を託すべく会いに向かうところで話は終わりますが、この流れだと父親も親友のように消えているんじゃないかなと思えてきました。そして主人公は飼い猫の命を惜しんだということもありますが、それよりも猫が消えると母との思い出も消えると察したのではないでしょうか。周りの人の大切なもの(電話以外)を容赦なく消しておいて、自分にとって大事な母との思い出をとった主人公の傲慢さ、過剰なマザコン的な考えにぞっとします。
また数年後読んでみると見え方が変わるのかなと思える本でした。

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